酵素とは何か?その4。酵素と温度,圧力,濃度,金属イオンとの関係

前回のレクチャー、酵素とは何か?その3では、酵素とpHとの関係についてみましたね。今回は、酵素と、温度についてみてみましょう。

酵素の至適温度について

酵素がうまく働くには、その酵素にとって一番良い「温度」というのがあります。
ちまたでは、それが、通常40度くらいである、などという表現がみられますが、これもまた、一般的な、誤りですね。酵素というのは、まず、数限りない種類があります。そして、生き物ではなくて、化学物資で、触媒です。どんな酵素かによって、その「至適温度」というのも千差万別です。突然、「酵素の至適温度は40度くらいである」なんて表現されていたら、その文献、あるいは、サイトは信用なさらないほうが宜しいでしょう。あくまで、人間の体内で働いている酵素の至適温度は40度ぐらいである、というだけであって、一般に酵素の至適温度が40度というわけでは、決して、ありません。

例えば、海底火山の吹き出し口近くに住んでいる細菌などは、その酵素の至適温度が100度ぐらいだったりします。また、氷河があるところに生えている苔の類のなかで働いている酵素などは、至適温度が0度付近だったりします。
人間の体温はだいたい40度くらいですが、その温度で、最もよく働く酵素が多いです。
「その温度でよく働くようになるために体温が40近くになっているのか、はたまた、40度近くで働くような酵素があるのか。」という問いは、鶏が先か、卵が先か、という話に似てますが。。。
どちらも結論はハッキリしていて、鶏が先(卵はあっても、暖められないと鶏になれない)であるのと同じように、
40度近くで最も良く働く酵素達が、わたしたちの体には組み込まれている、ということですね。

酵素の働きと、圧力の関係

酵素は圧力(気圧や水圧)の影響うけます。化学実験でもしないかぎり、圧力を変化させて、酵素の働きの違いを比べるなんということはほとんどないでしょう。なので、ダイエット目的のこのサイトでは、酵素と圧力との間に関する関係に関してはこれくらいにとどめておきます。

酵素と酵素の濃度の関係

酵素は、一番働きが良くなる濃度というのがあります。効率よく働くという意味ですね。一口に濃度といっても、なんの濃度なのかがとても重要です。酵素自体の濃度のことを問題にすることもあれば、酵素が反応する前の物質(基質という)の濃度のこともあれば、基質と酵素の複合体の濃度のこともあれば、酵素が基質に作用したあとの物質(生成物という)の濃度を議論することもあります。
それぞれを別個に取り上げて、研究がかなり進んでいます。ミカエリスメンテン式など、濃度に関する式を思い出したりしましたか?あなたは、かなりツウですね。何事にも興味深く知っておいて損はありません。是非、その知識欲を絶やさぬようにしてください。特に、正しい情報を取り入れるようにしてくださいね。このサイトの内容は、可能な限り、化学的にも、あるいは科学的、歴史的、物理数学的にも正しい内容になるように努めていますので、参考にしてください。
酵素ドリンクダイエットと濃度との関係ですが、他の食べ物、飲んだ物などで酵素の濃度は変わります。また、基質、複合体の濃度も大きく変わってしまいます。でも、そこまで働きに影響を与える程でもないことが多いのと、それを気にしていたら、全く進みませんので、濃度に関しては、そこまで神経質になる必要はありません。

酵素と金属イオンとの関係

金属イオンというと、なんとなく、毒々しいイメージをされることがあるかもしれませんが、そんなに恐れることはありません。カルシウムという金属が、水中に溶けている時は、カルシウムイオンという2価の電価を有した状態で存在しています。人間の体内で、砂糖系を消化してエネルギーにするためには、カルシウムイオンが必要で、消化にあたって、カルシウムイオンが消費されます。それに応じたカルシウムイオンは適宜摂取する必要があります。しかも、カルシウムといっても、イオンとして水中に溶けた状態でなければいけませんから、単に、炭酸カルシウム、卵殻カルシウムのような、イオンになりにくいものを食べたというだけでは安心できません。
ここでも、正しい情報、というものは、生きていくうえで、重要ですね。無知というのは危険です。正しい情報を取り入れるように日々努力しましょう。

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